あめみやしろぐ

お仕事(院内SE)のことをかいたり思いついたことをかいたりします。

君は「選挙広報」を見たか?

4月21日は統一地方選の投票日であったが、投票に行かれただろうか。

選挙とは、選挙権の行使とは、民主主義の根幹に関わる部分である。私たちは投票によって代表者を選び、その代表者に私たちの権利を委任することでこの社会に参加しているのだ。市町村議会といった小さな政治世界であればことさらに。

 

先日、選挙が近いからというわけではないが『黙殺』という本を読んだ。

所謂「泡末候補」と呼ばれる到底当選する見込みのないような、その選挙活動が「独自の戦い」などと報道されてしまうような候補者たち(本書内では「無頼系独立候補」と呼称している)を取り上げたこの本は、ともすると冷笑的に取り扱ってしまいそうな彼らがその実、高額な供託金を支払い、膨大な事務手続きを乗り越えて「立候補者」として政治に携わろうという「エリート」であることを描いた、読後に不思議な感動すら抱いてしまう本であった。

 

黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い

黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い

 

 

彼らは一途であり、真面目だ。その戦い方が異質なだけなのだ……とはいえやはり、ユニークすぎるというか、「一途で真面目……本当に?」と言いたくなる人々もいる。

今回は自分が選挙広報から見かけたそんな人々を取り上げてみたい。

統一地方選は全国で同時に執行されたため、全ての選挙広報を確認することは一個人では不可能に近い。したがってあくまで「私個人が観測した範囲」でしかないことを付記しておきたい。

 

 

◆東京

日本の首都である東京23区の区議会選は、人口が多いだけあってやはり非常にユニークな人々も多い。まずは千代田区から。

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いまいち何を言いたいのかわからない。もしかしたらこの3つの円が「センス、ルール、スペック」を表しているのかもしれない。

ハッキングなど物騒なことが書かれているが、文章からなんとなく察するにこの人は振り込め詐欺にあったのではないだろうか。

 

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渋谷区。こちらもいまいち何を言いたいのかわからない。わからないが熱量だけはすごい。

ところで「政界勤務時代公選法書類送検不起訴」とあるが何があったのだろうか。本当に大丈夫なのか。隠さず情報公開するその姿勢は評価したいが。

さらにいえば「住民税非課税年度もあり」とあって不安がよぎる。本当に大丈夫なのだろうか……

 

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練馬区。主張の各論について論評は避ける(人それぞれいろんな意見があってしかるべきだ)が、ここでは各主張の末尾に注目してほしい。とにかく「赤ちゃんと子供とお年寄りがかわいそうで拉致被害者が気の毒」らしい。このリフレインはちょっと詩的ですらある。

 

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大田区。突然の逮捕歴告白にこちらとしても動揺する。

動揺するが感動もする。何かと隠蔽しがちな方々はぜひ見習っていただきたい。

 

◆神奈川県

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横須賀市より。どこかで聞いたようなセリフだが気にしてはいけない。

ちなみに、立候補もタダでできるわけではない。供託金というものを支払う必要がある。さらにこの供託金なるもの、一定数の票を取れなかった場合は没収されてしまう。必ず返ってくるわけではないのだ。

この供託金が日本において「立候補」という形での政治参加を妨げている……という説もあるがここではその是非について議論しない。

なお、横須賀市議会の議員として立候補する場合、供託金は30万円だそうだ。

www.hide-fujino.com

 

これを踏まえてもう一度。「金はないが元気がある」

 

◆愛知県

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犬山市。突然「中尊寺で誘拐された犬」が登場して困惑する。「誘拐がない社会」というのはまったくもってその通りである。

 

ところで冒頭にも紹介した『黙殺』では、ほぼ一冊を通じてマック赤坂の活動に触れられている。そんなマック赤坂は今回ついに港区区議会選挙に当選した。

彼らはやはり、一途であり真面目なのかもしれない。